日野自動車は中国市場向けにコストダウンを図った「市場適格車」を2018年~19年に投入するとしました。現地製部品の採用を増やすなどして、現状の車輌価格より1割程度引き下げを図る。同社は2009年に大型トラックの合弁生産を開始、ピーク時には年間5000台超を販売しました。その後建設業を中心に大型商用車の縮小傾向が続いていることから、コスト削減により競争力を高めて販売台数の増加を狙う。日野自動車は2007年に設立した広州汽車との合弁会社、広汽日野で大型トラック「700シリーズ」を生産・販売している。2009年9月に広東省広州市の工場で生産を開始して以来、建設需要の拡大を背景に販売台数を伸ばし、2011年度には5551台、2012年度も5000台超を販売したものの、その後の建設バブルの終焉とともに販売台数は2015年の1309台、2016年度は1364台とピーク時の1/4にまで減少している。背景は建設向け、取り分けダンプトラックの需要が大幅に減少したことが主因とされ、現在はトラクターヘッドが販売の中心となっている。同クラスの大型車市場は2016年度で年間70万台と推計されており、その市場で販売台数を伸ばすには、外資系合弁メーカーや現地メーカーの販売価格に近づける必要が有ると同社は見ている。今後は現地部品メーカーの既存部品を最大限使用することで、コスト競争力を高めていく。
(日刊自動車新聞より)