中国自動車メーカー大手の吉利汽車(Geely)は先月24日、マレーシアの自動車メーカー「プロトン」の株式49.9%を取得すると発表しました。 「プロトン(Perusahaan Otomobil Nasional)」は1983年に三菱自動車工業、三菱商事、そしてマレーシアのHICOM(後にDRB-HICOM)とで設立された自動車メーカーで、1990年代までは三菱自動車色が非常に強いという印象だった。80年代~90年代は低価格戦略によって、英国、シンガポールを中心に世界各国へ自動車を輸出したことで財を成し、英国の名門ロータスを買収するまで急成長。2002年にはマレーシア国内シェア60%を超えていたが、その後の世界経済の低迷と自動車ローン審査の度重なる厳格化によって、2016年の同国内シェアは13%にまで激減していた。その間2004年にはVWグループとの提携交渉も有ったが、同グループとの契約内容には、経営全般における多岐にわたって主導権を要求したことで、提携交渉は難航、決裂の運びに。その後スズキ、PSA(プジョーシトロエン)を含め出資交渉をしていたが、今回親会社DRB-HICOMと浙江吉利控股集団の間で株式譲渡に関して合意に達しました。