高齢者ドライバーの事故多発を受け国土交通省は、衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)やペダル踏み間違い時加速制御装置の普及を目指し、自動ブレーキに関しては国による認定制度を創設、ペダル踏み間違い時加速制御装置に関しては自動車アセスメント(JNCAP)の評価対象とする考えを示しました。少子高齢社会で待ったなしの現状を踏まえ、ディヴァイスに関する国際基準化を待たず、両装置の性能向上や普及を国を挙げて促進させていく。現在の乗用車用自動ブレーキシステムは装着が義務付けられておらず、性能もメーカーによってバラつきが有るのが実情だ。今後国が「お墨付き」を与えることで、性能の向上と均一化を目指していくとのこと。さはさりながら日本独自の要件を定めた場合は、欧米自動車メーカーから「非関税障壁」と非難され、ISD条項が発動される恐れも有ることから、国連の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)に提案した、乗用車用自動ブレーキの国際基準に則した形で性能要件を詰めていくことになるでしょう。ペダル踏み間違いに関しては、国連の議論もまだ始まっておらず、まずはJNCAPの評価対象にして性能向上と普及促進を図っていく。少子高齢社会先進国の日本で、自動運転も良いのでしょうが、その前に上記ディヴァイスの性能向上と普及促進は、交通事故を抑制するために必要不可欠になっていくと思われる。
(一部日刊自動車新聞より)