昨年にレポートした予想通り、トヨタ自動車の昨年１年間のグループ全体の販売台数が1017万5000台となり、ドイツの自動車メーカーフォルクスワーゲン（VW）グループに13万7000台余り足らず、5年振りに首位の座から陥落致しました。

トヨタ自動車の発表によると、グループのダイハツ工業と日野自動車を合わせた去年１年間の販売台数は、前年より0.2％多い1017万5000台となった一方、ドイツのフォルクスワーゲンは、アウディなどを含めたグループ全体の販売が前の年より3.8％多い1031万2400台となりました。VWが一連の不祥事を起こしたにも係わらず、自動車販売の世界最大の市場である中国での販売差異が大きく起因したことが挙げられます。VWグループが前年より43万台増やして398万台だったのに対して、トヨタグループは9万台しか増やせず121万台に留まったことが大きかったと言えるでしょう。またトヨタ自動車が得意とする北米市場において、ガソリン価格下落の影響などでエコカー販売が思うように上手くいかなかったことも大きかったと思われます。

中国の自動車市場はここ10年でおよそ4倍の2800万台規模に急拡大、すでにアメリカを凌ぐ世界最大の自動車市場となっています。1985年に他社メーカーに先駆け、いち早く中国に進出してブランドの浸透を図ってきたフォルクスワーゲングループに対して、出遅れて中国市場に参入した日系自動車メーカー、順調に伸ばしているとはいえ、過去の国家主導の不買運動などの影響もあり、首位のVWグループとの差は中々縮小しない状況が続いている。トヨタ自動車が中国に進出したのが2000年とVWより15年も遅かったので、仕方ないといえばそれまでですが、今後中国市場での販売成果が首位奪還の肝となるでしょう。