日本精工(コメ工)は16日、変速機を搭載した新たなインホイールモーターを開発したと発表しました。二つのモーターと変速機を一体化することで厚みを低減、モーターの回転を活用した変速機構により高い駆動トルクを実現させる。実証実験では、ローギアで約2倍の駆動トルクを得ることに成功したということだ。今後もインホイールモーターの研究を通じてワンウェイクラッチユニットや軸受など、次世代の電動車輌向け要素技術の開発に生かす予定。HV車やEV車など、動力源が多様化している現在、車体構造に依存せず、様々な駆動形式に対応出来る将来技術としてインホイールモーターの開発が世界中で進んでいる。加速中や登坂中に必要な駆動トルクと最高速度を両立させるためには、モーターが必然的に大型化してしまうのが課題で、これまでは1個のモーターと変速機を組み合わせる機構がメインだった。今回同社が開発した「変速機付きホイールハブモーター」は、減速機内蔵のハブ軸受けユニットの他、2個のモーターと2つの遊星歯車で構成される変速機を搭載。モーターの回転方向を変化させることで、全身麻酔時にはローギアとハイギアへの切り替えが可能となる他、回転速度とトルク制御加速中も滑らかに変速出来る優れもの。モーターに変速機を内蔵させることで、厚みを減らせ従来比3割程度の軽量化できるうえ、16インチホイールにも収納が可能になる。

インホイールモーターは、かの有名な「フェルディナント・ポルシェ博士」が1900年に考案した技術で、それから100年以上経過した未来の電動車輌に搭載されようとしている。フェルディナント・ポルシェ博士がどれだけ素晴らしく、先見性が有ったということでしょう。

(一部日刊自動車新聞より)