TPPに関して大筋合意が為されて、これは第二の開国だと声高にアナウンスしている方々や、恩恵を受ける企業や業界団体がおりますが、果たして本当にそうなのでしょうか?TPPが完全に履行された場合、何度もレポートしている通りISD条項という物が、必ず取り沙汰されてくると思われます。ISD(S)条項(Investor-State Dispute Settlement)は投資家が相手国の不当な扱いやレギュレーション違反によって不利益を講じたとされた時、相手国に対して訴訟を起こすことが出来るというものです。因みに昨年までのISD条項に付随する訴訟は390件、アルゼンチンの51件を始め、メキシコ、チェコ、エクアドル、カナダ、ヴェネズエラ等々に続きます。本邦はゼロですが、TPPによって日本も訴訟社会になると思われ、勉強が必要になるでしょう。

 仮の話ですが、もし投資家が日本の軽自動車の優遇税制に対し、1000㏄以下の自動車と軽自動車で何故自動車税が違うのか?その優遇税制のせいで、私達が投資している自動車メーカーの1000㏄以下の自動車が売れないんだ!と訴訟された場合はどうなるでしょう?全くと言って議論されていませんが、そのような可能性がゼロでは有りません。