国土交通省は、自動ブレーキなどの新たな安全装置について、普及時の費用対効果を算出する手順書を今年度内にもまとめるとの事。欧米では一般的になっている、個々の安全技術に関する社会的な費用対効果を示すことで、事故を効果的に減らすのが狙い。欧米では技術の普及時に死傷者や物損事故がどれぐらい減少するかを金額換算し、費用対効果の試算を算出している。例えば横滑り防止装置(スタビリティコントロール)について、欧州では死傷者が25万人減り、これらによる社会的効果は装置の普及コストを差し引いても11兆円以上と試算している。少子高齢の本格到来で、今まで考えられなかったような事故が多発したり、相変わらずアクセルとブレーキを踏み間違ういわゆるヒューマンエラーを抑止する意味でも、重要な局面に達しているということでしょう。今後安全装置装着車輛の保険料インセンティブ制導入など、そういう時代に来ているのかもしれません。本邦の電子部品や弱電メーカーも、自動車安全装置分野に傾注することで、利益を伸ばせるかもしれません。
(一部日刊自動車新聞より)