トヨタ自動車は、SiC(炭化ケイ素)パワー半導体を、ハイブリッド車のパワーコントロールユニット(PCU)に搭載した、カムリHVの試作車を開発したと発表しました。この試作車は2月から豊田市を中心に行動試験を実施し、現在主流のSi(シリコンケイ素)半導体と比較した、燃費向上効果、データ取得や不具合等を検証し早期実用化を目指す。この新型パワーコントロールユニット(PCU)は、昨年5月に豊田研究所、デンソーとで、SiCパワー半導体を共同開発したもので、従来のものより高効率化が図れるうえに小型にも適しているのが特徴。HVモーター駆動力を制御するPCUに使用しているパワー半導体は、車輌全体の電力損失の2割を占め、SiCパワー半導体の導入でどこまで燃費が向上するか注目されています。また同社は、先月から燃料電池バス(FCB)にもFCスタックの電圧を制御するFC昇圧コンバーターにSiCダイオードを搭載しており、走行データを取得して燃費向上効果を検証し始めています。
(一部日刊自動車新聞)