自動車部品メーカー不二越は、自社開発の高耐久性材料を採用したターボチャージャーのタービンシャフト用玉軸受けを開発したと発表しました。ターボ用軸受けはすべり軸受けが主流ですが、他社に先駆ける形で同社は、全て自社開発の一貫生産で損失を低減出来るタービンシャフト用玉軸受けの製品化を図る狙い。玉軸受けの内外輪はシリコン、クローム、モリブデンを添加して耐熱性を向上させた独自開発のマテリアルを使用、現状航空機等に使用されている高価な「M50」と同等の性能を維持しながら、大幅なコスト削減が見込めるとのこと。300℃でも変形しない耐熱性の高い材料を使用した玉軸受け内部の樹脂製の保持器、エンジンの高速回転により高温環境になるウェイストゲートバルブは、900℃でも従来材料比でひずみ耐久性が2~3倍、ひっぱり強度が1.5倍の自社開発合金を使用する等注目点が多い。

 同社は昨年の売上高1756億円の内、工作機械と部品を含む自動車市場向けが半分を占めており、カーエアコン用玉軸受けで世界シェア5割、等速ジョイント用ローラー軸受けで4割というグローバル市場シェアを持つ。今後は昨今のダウンサイジングエンジンの潮流により需要が増加しているターボ事業へ参入することで、自動車市場向けの売り上げ拡大を狙います。

(一部日刊自動車新聞)