今年10月中旬にギリシャ危機をお伝えして以降緩やかに回復しているかのように見えていたギリシャですが、ここにきて政情が不安定の様相を見せてきております。一つはギリシャ大統領候補を巡り、サマラス首相が推す大統領候補の賛成票が取り込めないとギリシャ議会が解散に追い込まれ、選挙が前倒しされる可能性が出て参りました。現段階で選挙を実施した場合は、急進左派の「SYRIZA」が選挙で勝利する可能性が高く、同政党が政権を奪取した場合現政府が行ってきた緊縮財政の見直しは必死で、ギリシャのディフォルトやユーロ離脱が懸念されております。このような情勢を受け、ギリシャの株式市場は13%安と27年ぶりの大幅安に、3年物国債は8.23%、長期国債(10年物)は8.18%に再び上昇してきております。
ユーロ安でキプロスやマルタ向けが好調ですが、ギリシャと同様キプロスの景気にも暗雲が立ち込めてきております。ギリシャの情勢は、選挙終了まで着目すべきでしょう。