ケニア政府は中古車輸入台数を段階的に減らしていく方針を打ち出して、中古車輸入の年式規制を現行の8年未満から5年未満に変更する方向で動き出している。当初は2019年7月から5年未満の年式規制が適用されると発表されていたが、ケニア国内の中古車輸入業者からの反発が大きく、2019年7月からの適用は一旦保留となり延期されることとなった。

 年式規制変更の背景には、トヨタ、フォルクスワーゲンなどのケニア国内に進出している組み立て工場で生産される新車販売を促進することで国内工場での雇用拡大につなげたいというケニア政府の意向があり、ケニア政府は段階的に年式規制を強化していき、最終的には中古車の輸入を排除する方針のようだ。ケニア政府が検討している中古車輸入の規制案によると、1500cc以上の排気量の車両について2019年7月までに8年未満から5年未満に、2021年7月までに3年未満に、2023年7月までに0年(新車のみ?)にするとの方針が出されている。ケニア国内の中古車輸入業者からの反発もありどのようなプロセスを経て年式規制の変更が実施されるかはまだわからないが、中古車の輸入を制限していく方向にあることはケニア政府としては規定路線のようだ。

 日本からケニアには、年間で約7万台の中古車が輸出されており、ケニアの年式規制の変更が実施されると日本の中古車オークション相場に大きな影響がありそうだ。現状は8年未満の年式規制であるため、主に7年落ちの中古車がケニア向けで買われているが、ケニアという大きな買い手を失うと7年落ちの中古車の相場価格が値崩れする可能性が見えてくる。一方、5年未満の中古車に関してはケニアの参戦が相場価格を押し上げる要因となりそうだ。一部の人気車については、同じく5年未満の年式規制のロシアとの車両の争奪戦が繰り広げられる可能性も予想される。

 

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