スリランカのマイトリパラ・シリセナ大統領は10月26日にラニル・ウィクラマシンハ首相を解任し、2015年まで大統領を務めたマヒンダ・ラジャパクサ前大統領を後継の首相に指名すると発表した。これに対しウィクラマシンハ氏は、大統領にそのような権限はなく違憲であるとして解任に応じない意向を示して対抗をしていたが、11月9日にシリセナ大統領は議会を解散、議会選を来年の1月5日に行うことを決めた。

 日本からスリランカ向けの中古車輸出台数は2018年1月から9月までの統計で61,655台を記録しており、9月までの時点ですでに昨年の39,186台から大幅に輸出台数を増やして好調を維持していた。9月末に外貨流出を懸念したスリランカ政府はL/C開設条件を厳しくする措置をとり、これによりスリランカへ中古車を輸入しづらい状況となった。スリランカ向けに中古車輸出を手がける商社によると、この措置により新規のオーダーはほぼ止まってしまったとの話で、スリランカ政府が来年に向けてどのような方針を決めるのかその動向が注目されていた。

 スリランカの議会が解散され、議会選が来年1月5日に決まったことで、選挙が終わるまでは何も決まらないだろうことが予想されるため、スリランカ向け中古車輸出の状況が好転するのはまだ先のこととなりそうだ。新首相に指名されたラジャパクサ前大統領は、1983年から26年に及ぶスリランカ内戦を2009年に終結させた人物としてスリランカ国内では人気が高いが、大統領在任中は中国寄りの政策をとり中国に近い人物としても知られている。大統領派、首相派のどちらが政権をとったとしても中古車輸出ビジネスへの影響は不透明で、どのような方針が示されるかしばらくは様子を見守るしかなさそうだ。

 

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