フラジャイル5(2014/4/8)

 アルゼンチンショックから米欧でフラジャイル5(脆弱な5ヶ国)として名指しされた、インド、インドネシア、ブラジル、トルコ、南アフリカですが、ここにきてインド、インドネシア、ブラジルの株価指数は復調して参りました。特にインドは中央銀行に元IMFチーフエコノミスト、ラジャン氏の辣腕により急激に投資マネーを呼び込んでおります。さらに今回インド国内で総選挙が有り、野党BLPのナレンドラ・モディ氏に欧米の脚光が集まっております。この二人がインドを牽引する事になれば、これまでの保守的な風習に風穴を開け、更なる投資マネーが世界から集まるであろうと欧米のエコノミストが伝えております。

 本邦も世界から投資マネーを呼び込むために、今後、いえ近い内に様々な規制緩和を遂行してくるものと予想されます。逆に今まで同様、抵抗勢力からの妨害を抑え込めず規制緩和を遂行出来なければ、一気に経済が冷え込む恐れも有るということを暗示しております。特に自動車業界は景気動向を色濃く受けますので、絶えず注視する必要が有るでしょう。

輸入車絶好調(2014/4/8)

 日本自動車輸入組合(JAIA)が先週発表しました2013年度の新規登録台数が、前年同期比で12.7%増の362,052台となり、登録車に占める輸入車シェアが10.6%と二桁台に載せ、4年連続の増加となりました。最近多い国内メーカーの海外逆輸入増加も有りますが、それを差し引いても外国メーカーの輸入だけで302,018台と17年ぶりの30万台突破となりました。外国メーカーだけの登録車に占める輸入車シェアも8.8%と、JAIAが統計を取り始めてから過去最高となりました。アベノミクスが始まる前までは円高による割安感で台数が伸長しておりましたが、昨年以降は全く状況が異なりいわゆる本物の実需となっております。特に株高・不動産価格の上昇による資産効果で、人と違った車に乗りたいという富裕層が明らかに増加しているものと思われます。また欧州メーカーのエントリーモデルが増加したことにより、本邦の自動車メーカーのユーザーをかなり取り込んでいるのも影響しているのでしょう。実際VWアップなど国産メーカーのエントリーモデルと変わらない価格帯も用意され、若年層や主婦層がディーラーに足を運ぶケースも増加しております。アベノミクスが今後も継続して機能した場合、輸入車業界にとってもうれしニュースが続きそうです。

日産、ロシアでダットサン販売(2014/4/8)

 日産自動車は、4日ロシア国内でダットサンブランド第一号モデルとなる〝on-DO”を今夏から販売を開始するとアナウンスしました。ロシア国内でインドネシアに続きインフィニティ、日産、ダットサンの3ブランド戦略を敷くことにし、この\\\"on-DO\\\"を皮切りに車種構成を拡大させる。on-DOは1,600ccのファミリーセダン(4,377mm x 1,700mm x 1,500mm)のファミリータイプセダンで、40万ルーブル以下(115万円)での販売を予定。当該モデルは日本でデザイン、ロシアのアライアンスパートナーアフトワズで開発、ロシアのアフトワズ・トリアッティ工場で生産されます。最近情勢が厳しいロシアですが、日産自動車にとってロシアは世界で5番目巨大マーケットですから、今後も新型車種を逐次投入すると思われます。

*DATSUN・・・創業当時の出資者、田(DEN)、青山(AOYAMA)、竹内(TAKEUCHI)の名前の頭文字を取りDATに、その後日産の創立者である鮎川氏によりDATの息子という事でDATSONと命名されましたが、SONは当時損をイメージするという理由から、輝ける太陽をイメージするDATSUNとなりました。日本では日産が定着しておりますが、海外、特に発展途上国や後発開発途上国等ではDATSUNの方が知名度が有るため、今回の日産3チャンネル復活となりました。

 

 

2013年度海外メーカー販売実績(2014/4/8)

2013年度海外メーカー販売実績

1位・・・VWゴルフ 30,974台 (+59.1%)

2位・・・BMW 3er-Reihe 20,742台 (+57.9%)

3位・・・BMW MINI 17,163台 (+7.9%)

4位・・・M\'BENZ Aクラス 14,595台 (+387.1%)

5位・・・M\'BENZ Cクラス 11,864台 (-17.7%)

6位・・・VWポロ 11,752台 (-4.3%)

7位・・・VWアップ! 11,310台 (+42.1%)

8位・・・M\'BENZ Eクラス 11,088台 (+68.4%)

9位・・・VOLVO 40シリーズ 10,294台 (+533.5%)

10位・・・VWザ・ビートル 9,045台 (+20.4%)

メーカー順は1位から、VW、メルセデス・ベンツ、BMW、アウディ、ボルボ、ミニ、フィアット、プジョーと続きますが、上位4メーカーの独メーカーだけでシェア70%を超えております。またJAIAの発表によりますと、前回のレポート通り車輌価格1千万円以上のいわゆる富裕層向け高級車が前年同期比+51.1%増の14,965台、新車輸入車販売の20台に1台は1千万以上の高級車というから驚きです。因みに400万以上1千万未満の価格帯でも同29.9%増の85,983台ということです。富裕層はより豊かに、最近の資本主義経済の動向を顕著に具現しているというところでしょうか。