燃費向上に欠かせない軽量化で、最近着目されているのが炭素強化プラスチック(CFRP)である。現在の状況は軽量かつ高強度ながら価格面や生産効率の悪さから、航空機や一部の車輌への使用に留まっているのが現状だ。今後は繊維メーカーを中心に、このニッチ部門へ経営資源を割く可能性が有り、場合によっては飛躍的に生産効率が高まり、競争によって価格も手頃になるかもしれない。現在東レ、帝人、三菱ケミカル(炭素繊維の優良メーカー)を始め、藤倉ゴム、東洋紡、ダイセル、エボニック等の樹脂メーカー各社が車載向けに軽量素材と繊維を複合した衝撃吸収部材の提案を開始している。自動車メーカー各社乾いた雑巾を絞るように燃費向上に向けて切磋琢磨している現状において、自動車車体の軽量化は至上命題になっている。今後も炭素繊維、CFRP、難燃性マグネシウム合金、セルロースナノファイバー等、様々なマテリアルが自動車に積極的に使用される時代が来ていると思って間違い無いでしょう。乾いた雑巾を絞り続けるから燃費測定を不正に改ざんする訳で、軽量化を制することが出来れば、需要増が見込める新興国や発展途上国への販売増に寄与すると思われます。
M3ダイヤ、言わずもがな三菱スリーダイヤは、この度日産自動車と三菱自動車が資本提携することになり、これにより現在米国テスラモーターズの後塵を拝している、EV・PHVの共同開発を可及的速やか実行出来ると思われます。また更に販売が伸びるであろう、PHV、PHVディーゼル、中小型SUV・RV・ミニバン、費用対効果が問われる大型SUV等を共同で開発出来るメリットは大きいでしょう。海外展開は別ですが、国内販売に関してトレードマークを改良した方が良いと思われ、新制三菱自動車の新たなエンブレム構築を考えては如何でしょうか。スリーストライクはチェンジですので、役員共々大規模刷新をするべきでしょう。
日産自動車と三菱自動車は12日に資本業務提携を発表、日産自動車が2370億円の出資を行い、三菱自動車の株34%を取得し筆頭株主となる。さらに開発部門での人的支援も行い、企業存続が危ぶまれる三菱自動車の経営の立て直しを図るとのこと。これまで日産自動車と三菱自動車はNMKVを始め、乗用車でも相互OEM販売や部品の共有化をしていましたので、特段の驚きは有りませんでした。今回のスリーストライク事件で、日産自動車主導の三菱自動車がより加速すると思われます。
オーストラリア連邦政府が自動車輸入に関する法改正を実施し、2018年以降に条件付きで個人の平行輸入を認めれば、同国内に欠陥車が流入することになるとして、自動車販売業界で懸念が広がっていると、4月26日付けのオーストラリアン紙が報じました。自動車の並行輸入に関する規制緩和では、現状新車及び製造日(重要)から12ヶ月未満(重要)、走行距離500㎞(重要)の右ハンドルの一般乗用車と2輪車に限り、ディーラー等を介さず個人輸入が可能になる。ここで自動車販売業界から、高級車を中心に代理店が打撃を受けるだけでなく、欠陥車の流入に繋がるという理由から反対の声が挙がっている。2018年までまだ日数があるため、まだ紆余曲折あるだろうが、今市場で出回っているポンコツ中古車の方がよほど欠陥車で有って、現状のルールなら欠陥車が流入するという理由付けは、不合理だと言わざるを得ない。ただ1台でもレギュレーションに引っ掛かる車輌を輸出した場合は、連帯責任になるため、中古自動車輸出業界全体で褌を締めなおさないとならないかもしれないでしょう。