軽自動車規格が変わる可能性2(2016/7/6)

 現在本邦で販売されている乗用車の4割以上が軽自動車です。仮にISD条項で訴訟された場合、国はどのような措置を講ずるのでしょうか?もしそれを回避させるには、弁済金を国が税金から支払うか、または軽自動車規格・税を見直す必要性に迫られる可能性も有ると思われます。ここからは全て仮定の話です。

 軽自動車税が1000㏄以下と同等になった場合、これまで大量に販売された軽自動車はどういう扱いになるのか?軽自動車というカテゴリーを残すなら、HSコード (Harmonized Commodity Description Coding System) の原動機550㏄以下というカテゴリーにする、つまり1989年に遡る旧軽自動車規格にするということを意味します。(若しくは500㏄以下)今の軽自動車の性能は格段に向上しているので、エンジンのダウンサイジングに関しては問題無いと思いますが、要はこれまで大量に販売された現在使用中の軽自動車の扱いをどうするかという事が、大きな問題となるでしょう。あくまで仮定の話ですが、本邦は欧米メーカーから今まで盛んにこの軽自動車規格に対して異論をぶつけられてきましたから、可能性は少なく無いと実は思っております。

軽自動車規格が変わる可能性1(2016/7/6)

 TPPに関して大筋合意が為されて、これは第二の開国だと声高にアナウンスしている方々や、恩恵を受ける企業や業界団体がおりますが、果たして本当にそうなのでしょうか?TPPが完全に履行された場合、何度もレポートしている通りISD条項という物が、必ず取り沙汰されてくると思われます。ISD(S)条項(Investor-State Dispute Settlement)は投資家が相手国の不当な扱いやレギュレーション違反によって不利益を講じたとされた時、相手国に対して訴訟を起こすことが出来るというものです。因みに昨年までのISD条項に付随する訴訟は390件、アルゼンチンの51件を始め、メキシコ、チェコ、エクアドル、カナダ、ヴェネズエラ等々に続きます。本邦はゼロですが、TPPによって日本も訴訟社会になると思われ、勉強が必要になるでしょう。

 仮の話ですが、もし投資家が日本の軽自動車の優遇税制に対し、1000㏄以下の自動車と軽自動車で何故自動車税が違うのか?その優遇税制のせいで、私達が投資している自動車メーカーの1000㏄以下の自動車が売れないんだ!と訴訟された場合はどうなるでしょう?全くと言って議論されていませんが、そのような可能性がゼロでは有りません。

2016年上期メーカー別新車販売台数(2016/7/5)

2016年上期メーカー別新車販売台数

1位:トヨタ 757,164(+2.2)

2位:ホンダ 370,481(-6.1)

3位:スズキ 330,122(-3.2)

4位:ダイハツ 306,358(-7.7)

5位:日産 279,854(-14.4)

6位:マツダ 108,061(-22.3)

7位:スバル 79,371(-9.7)

8位:三菱 45,739(-14.4)

9位:いすゞ 37,313(+3.2)

10位:日野 31,182(+4.4)

11位:レクサス 28,421(+26.3)

12位:三菱ふそう 22,681(+3.3)

13位:UDトラックス 5,062(-12.0)

カッコ内前年同期比増減率%

トヨタ自動車及び商用車メーカーが順調に推移を伸ばしている中、新型車効果が剝落したマツダ、燃費偽装で揺れた日産・三菱が大きく台数を減らしている。トヨタ、ホンダ、スズキは業販が好調なため台数を確保しているが、今年に入りメーカーが業販の取締りを強化していることと、円高が進行しているため、下期は不透明になるでしょう。ただトヨタに関しては、足元新型車牽引しているのと、新型SUV「C-HR」が控えているため、順調に推移すると思われる。

(日刊自動車新聞より)

2016年6月メーカー別新車販売(2016/7/5)

2016年6月メーカー別新車販売台数

1位:トヨタ 138,284(+7.8)

2位:ホンダ 61,122(-9.4)

3位:スズキ 53,347(+0.2)

4位:ダイハツ 49,839(-10.3)

5位:日産 35,631(-26.8)

6位:マツダ 13,557(-36.3)

7位:スバル 11,529(+13.7)

8位:いすゞ 6,549(+11.6)

9位:日野 5,754(+10.0)

10位:三菱ふそう 4,897(+4.0)

11位:レクサス 4,557(+10.2)

12位:三菱 3,779(-51.8)

13位:UDトラックス 1,034(-12.3)

カッコ内前年同月比増減率%

(日刊自動車新聞より)