全般的な傾向とすれば、現地で在庫車がだぶついて現地の小売価格が低下し、日本への買い付けオファーの価格が下がるという流れが見て取れますが、一方、タウンエーストラック、サクシード、プロボックスなどミャンマー向けで買い付けされる車両がある一定の以上高値で安定的にオークションで落札されてる状況をみると、また別の疑問がわいてきます。海外の現地小売価格の相場が下がれば、それを反映してオークションでの買いつけ価格が下がり、車両の相場も下がってくるのではないか? アフリカのマーケットがよい例で円高に為替が動くと、彼らはドルで車両の買い付け予算を見ているので円価での買いつけ予算が下がり、アフリカ向けに輸出される車両のオークションの相場も下がるということが知られています。さて、ミャンマーはどうなのか?この疑問の答えは、おそらく売れるショールームと売れないショールームの差にあるように思ます。売れないショールームは差別化できる要素がないため価格勝負となり、マーケット全体が安売り傾向で相場がさがるとそれに引きずられて、在庫車の価格調整をせざるおえなくなり、新規の買い付けの予算もさがります。一方、売れるショールームは差別化をして価格競争をさける方向にあり、相場全体の傾向とは関係なくある一定の価格で売れるのである一定の価格で車の買い付けをしているのだと思われます。差別化の一つとして、資金力のある大手のショールームは分割払いでの車両の販売をしており、一括で支払いができないエンドユーザーは総支払い額が高くても分割払いで車を買えるショールームから買うため、そうしたショールームは価格競争に巻き込まれにくい傾向にあります。また、経済の中心地のヤンゴンではなく地方で中古車を販売している輸入業者も買い手の選択肢が少なく競争がヤンゴンほどは激しくないため、ある一定の価格を維持して小売販売できているようです。政府の指導で古いタクシーの入れ替え需要があるため、現地のタクシーとして使用されるプロボックス、サクシード、カルディナバンは引き続き需要があると予想されますが、そのほかの車種については人気車種の移り変わりが激しいため、個別に状況を見て判断していく必要があるように思います。
ミャンマーはどうなる?2013年のミャンマー向け中古車輸出マーケットを考える(2013/2/2)
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