円相場急落へ (2014/10/31)

黒田日銀総裁の追加緩和決定のニュースが走るやいなや、外国為替市場で円が急落(円安)に振れ現在も112円を目指す勢いで円安が進行しております。以前のレポートで年内に対米ドルで110円、オーバーシュートした場合は120円とお伝えしましたが、今回はまさにオーバーシュートする要因が発せられた訳で、今後は節目の110円をあっさり抜き去りましたので、以前のレポート通り115~120円を目指す展開になる公算が強いと思われます。2年ほど前から海外の顧客から送金された米ドルは、出来る限り両替せずそれを担保に融資をするのを薦めておりましたが、従った業者の方々の為替益は多い業者の方で2000万円を超えております。貿易を業として経営されている方々に経済のレポートを配信しているのは、そういう理由で有り、中古自動車の輸出に関しては為替動向が命運を握ると言っても過言では有りません。当サイトを閲覧して頂いてくださる方々に、これからも有益な情報を配信したいと、改めて思った次第で有ります。



黒田バズーカ砲再び(2014/10/31)

当サイト27日版で本日の日銀会議が重要な意味を持つ旨をレポート致しましたが、結果は皆さまご周知の通り追加の金融緩和となりました。ほとんどの市場関係者は消費税増税が確定した折のバックアップとして追加の量的緩和を読んでおりましたが、今日の発表を受けて市場関係者は蜂の巣を突いたような大騒ぎとなりました。今回の発表を受けて為替市場では一気に円安に振れ、株式市場では日経平均が一時900円近く暴騰し、商いも通常2兆円を挟んだ商いが4兆円を超え、こちらも大賑わいとなりました。日銀黒田総裁は「2%の物価目標を早期実現を確かなものにするため、追加の緩和拡大を決断した」と発表、また今後も物価上昇が停滞した場合は躊躇無く調整するという文言を織り込みました。昨年4月の会見で政策の逐次投入をしないと発言しておりましたが、4月以降の消費増税の反動減が予想以上に日本経済にダメージを与えたことを危惧したと思われます。インフレ政策に舵を切った政府や日銀は、今後もインフレ目標達成まで手綱を緩める気は無いかもしれません。



うわばみ化した日銀 (2014/10/30)

異次元の量的・質的緩和政策によって国債市場で発行される本邦国債をうわばみのように吸い取る日銀ですが、ここまでくると市場の原理という概念は完全に崩壊しており、短期国債に至ってはマイナス金利にまでなる有様です。確かにインフレ目標を2%に設定して量的・質的緩和を断行するのは、長期のデフレ化で経済が矮小化した市場にとって刺激になるのは確かだと思います。ただ実際中古自動車業界全般に限っては、緩和マネーの恩恵は全く無く、むしろ新車販売の不振による入れ替え車輌の激減で輸出向け中古自動車の価格が上昇、消費税の立て替え費用の上昇など、厳しい環境に晒されているのが現状です。中古自動車が安定して輸出されているから市場で自動車のリセールバリューが期待出来る訳で、中古自動車輸出業界を始め中古自動車業界全体に、救いの手を差し伸べて頂きたいものです。



ダイハツ上半期減収減益に(2014/10/30)

ダイハツ工業本日4~9月期の上半期の決算を発表しました。発表によりますと、売上高8486億円(前年同期比-5.7%)、営業利益371億円(同-47.2%)、経常利益457億円(同-41.3%)、四半期純利益204億円(同-44.4%)となり、通期予想も下方修正になる見込み。国内市場は消費増税の反動減をもろに受け、販売減少・値引き・顧客の廉価版への移行など、海外市場も新興国がインセンティブの廃止や経済の弱含みの影響が有り、このような発表となりました。人気車種「新型タント」は好調に推移しておりますが、他の車種の伸びが今一で上期の販売実績ではスズキ自動車に首位を明け渡しました。他の国内メーカーもトヨタ自動車以外は、しばらく厳しい環境に陥る可能性が有り、特に軽自動車は使用年数が長いため、何度も当サイトで書いている通り、需要の先食いの影響は国が思っているほど軽微では無いということでしょう。買い替えサイクルを促すような政策が取れれば、中古自動車市場も活況になり、しいては中古自動車輸出も促進するのですが…