トヨタ自動車が本日発表しました2014年度決算は、売上高・前期比16.4%増の25兆6919億円、営業利益・前期比73.5%増の2兆2921億円、税引き前利益・前期比73.9%増の2兆4410億円、純利益・前期比89.5%増の1兆8231億円とリーマンショック前の過去最高を更新しました。来期2015年度の業績見通しは、中国懸念、タイの混乱、消費増税駆け込み需要の反動減などを鑑み、微増に留まるとの見通しを示しました。
欧州を歴訪している安倍首相、ウクライナ情勢に関して主要国と懇談ということが主たる目的となっておりますが、英国訪問中のロンドン・シティ(金融街)での講演に於いて、本邦の法人税減税について言及したとのことです。現在の法人実効税率35.64%を他国並みの25%にまで引き下げ、世界から投資資金や企業の誘致を促す狙いがあると思われます。甘利経済再生担当大臣も、5年程度で法人税を20%前後に引き下げることに改めて意欲を示しました。
国家の借金が1000兆円有るなか法人税を下げて、プライマリーバランスの構築が出来るのか?と思われるかもしれません。しかし皆さま御周知の大企業は租税特別措置をはじめとして、様々な税控除の恩恵を受けており、実質数%~20%前後が一般的と言われており、まともに満額支払っているのは中小企業や新興企業という不公平な状態が続いており、海外企業や本邦中小企業から長らく是正を求められておりました。今回の特区選定で海外の法人企業の誘致に当たり、懸案事項である法人税減税、解雇規定の見直し等にメスが入る可能性は非常に高いと思われます。
昨年前半までの債券(国債)人気から、資金の流出が続いております。リーマンショック以降安心・安全の御墨付きが付いていた債券(国債)投資が人気が有りましたが、米国を中心に債券から一部資源や株式市場に資金が流入し続け、世界的にリスクオンの流れが顕著化しております。世界最大の債権運用会社米国PIMCO【トータル・リターン・ファンド】でも昨年5月以降資金の流出が続き、12ヶ月で553億ドル(5兆6000億円)の資金が引き出されているとの事です。反対に米国株式市場はNYダウ平均で史上最高値、NASDAQ市場もITバブル時の5000ドルに迫ろうかという勢いで続伸しております。
本邦、特に機関投資家はバブル崩壊の後遺症から株式投資などのリスク資産を敬遠し、相も変わらず債券投資に邁進中で、市場は海外勢の売りにより停滞を続けております。今後機関投資家、特に日本の年金基金(GPIF)や使い勝手の非常に悪いNISAで無く、個人や企業が投資をし易い制度作りの再構築をしない限り、本邦株式市場の活性化は難しいかもしれません。
昨年から当サイトにて中国不動産バブル崩壊懸念や理財商品のディフォルト懸念を喚起して参りましたが、本邦大手証券会社野村証券の中国レポートにおいて、不動産バブル崩壊が始まっているとの事。焦点はどのくらいの規模、スピード、混乱が拡散するかで、場合によっては世界に多大な影響を及ぼす可能性が有ると思われ、今後の動向に注視すべきでしょう。GDP世界第二位、米国国債保有海外ナンバー1、本邦だけでなく世界的に与える影響は大きいと思われ、予断は許しません。