政府が発表しました2014年の貿易赤字が、12兆7813億円と過去最大の貿易赤字となり、4年連続で貿易赤字というおまけつきです。これが質的・量的金融緩和を除く円安要因だった訳ですが、昨夏以降の原油先物価格の暴落で10~12月の貿易赤字は大幅に減少傾向となりました。今後も原油先物価格が下落トレンドならば、2015年は一部製造メーカーの国内回帰も相まって、貿易黒字に転換する可能性もいよいよ出て参りました。2007年頃から始まった中国を始めとする新興国需要を織り込んだ原油バブルの影響で、本邦は多額のみかじめ料を産油国に支払わされ続けてきましたが、今回の原油バブル崩壊によって、本邦の経済が劇的に良くなる可能性も出て来たかもしれません。円安基調がどこでダウントレンドに移行するのか、兆しを見つけてお伝え出来ればと思っております。
トヨタ自動車は26日、大型ミニバンの雄である「アルファード」、「ヴェルファイア」を発表しました。10系から人気に火が付き、20系からは不動の地位を築いている「アル・ヴェル」の7年ぶりのフルモデルチェンジは、国内外で注目を集めております。今回のFMCで外寸で全長・全幅で若干の大型化が図られ、全高でごくごくわずか低く設定されていますが、特段変わりは有りません。エンジンは20系の2GR-FEを踏襲した3.5リッター仕様、新採用の直列4気筒2AR-FEを踏襲した2.5リッター仕様、そして注目のハイブリッドは2.5リッター2AR-FXEエンジン+HV仕様で、JC08モードで18.4km/L~19.4km/Lを叩き出す。以前から指摘されていた後席の乗り心地をカイゼンすべく、リアサスペンションがトーションビームから、ダブルウィッシュボーン(ダブルAアーム)に変更されたのは、大きいでしょう。ライバルメーカー大型ミニバンの全高が低高化されて以来、独壇場の「アルファード」、「ヴェルファイア」、3代目の大きな進化によって大型ミニバン市場で不動の地位を築きそうです。詳細はすでにトヨタ自動車HPにアップされておりますので、御参照下さい。
ついに量的緩和を実施した欧州中央銀行ですが、それに先立ってスイス中央銀行が無制限の為替介入を停止したのは記憶に新しいところ。裏を返せばスイス中央銀行が更なるユーロ安を想定したのも、為替介入停止の要因と言えるでしょう。またユーロドル相場に関しては、不思議と8年サイクルでユーロ高とドル高を繰り返す習性が有るので、対ドルで高値を付けたのが2008年ということは、サイクル的には2016年に掛けて更にユーロ安ドル高へと以降する可能性が高いと言えるでしょう。外国為替市場では、2016年に掛けて1ユーロ・1米ドルというパリティ相場(1対1)に移行する可能性も有ると思われます。為替ユーロも含めて欧州市場の動向は、しばらく注視すべきなのは不変でしょう。
アベノミクス政権誕生以降外国為替市場において、日銀の後ろ盾も手伝い対ドルで50%もの円安ドル高が進行しております。先日のレポートで115~120円のボックス相場とお伝え致しましたが、今週に関してはFOMC会議発表後の会見(28日夜)次第では、上へも下へも振れやすい局面なので要注意だと思います。FRBが世界景気の影響で米国経済の足元の状況が不安定だと判断し、金利引き上げ時期をづらすような事になれば、リスクオフの流れで円高に振れる可能性が有ると思われます。日銀の質的・量的緩和第二段の影響により為替市場で、110円~115円に掛けて真空地帯を一気に駆け上がった経緯が有りますので、一気に115円を割るような状況に陥れば逆に真空状態を落ちていく可能性も有るのを、踏まえておく必要が有るでしょう。