2月上旬に船内で見つかったカメムシ騒動ですが、ようやく荷降ろしの許可が出てきたとの報告を受けました。オークランド港に停泊していた「MORNING MENAD V.1852」ですが、昨日第一次産業省通称MPI(The Ministry for Primary Industries)の全検において、害虫の混入が認められなかったことから、本日より荷降ろしが開始されるというレポートが上がってきました。また「TOKYO CAR V.1802」に関しても貨物の全検を受けながら、引き続き少しずつ荷降ろしをしているとのことです。今回の件を受け、船舶会社、本邦のMAF検査、保税ヤードは今まで以上の注意を払わなければならないため、船積み準備に関して荷主は、余裕を持って手配される必要に迫られそうです。
トランプ大統領は21日、米国議会に提出する「経済報告」において、本邦の自動車市場には「非関税障壁」が有り、それがアメリカ製自動車と自動車部品の販売低迷の原因だと、改めて強い懸念を示しました。トランプ政権は昨年3月に取りまとめた「貿易障壁報告書」でも、日本に自動車分野の市場開放を求め、軽自動車規格や日本独自の安全基準などが、参入障壁となっているとうったえました。これに対し日本側は、自動車の関税はすでに撤廃、安全基準は国際的な基準に則しているだけだと、反論しています。
「非関税障壁」の件は、当サイトでさんざんレポートした通り、本丸はやはり日本の軽自動車規格に有ると思います。以前もレポートしましたが、米国に言い分は下記の通り。
本邦自動車用HSコードを米国のHTSコードに則することを要望し、シリンダー容積が1000㎤以下の自動車というカテゴリーで区切ること。仮に本邦HSコードに則して見たとしても、一番低い550㎤以下というカテゴリーを超えているのだから、1000㎤以下の車両と同等の税金で無ければおかしい。
1000㏄以下の自動車と日本独自の軽自動車規格660㏄において、税金が大きく変わるのはこれこそ「非関税障壁」と言わざるを得ず、だからこそ新車販売の40%近くを軽自動車が占め、アメリカ製の1,000㏄の自動車が売れない。
トランプ大統領は中間選挙を睨み、今後も、いや今後はさらにこの「非関税障壁」である日本独自の軽自動車規格見直しを強く要望してくると思われる。
自動車輸出先のトップ3の常連であるニュージーランド、先日本邦から輸出された自動車や機械類を輸送するため、ニュージーランドの港に到着した際、船内から特定外来種の「カメムシ」がMAF検査によって発見されたことを受け、当該船舶を含む3隻が入港拒否となっている。カメムシは繫殖力が高く、雑食で食欲も旺盛なうえ、殺虫剤の耐性も強いため同国内では特定外来生物に指定されている。更に日本と季節が逆のNZは、これから収穫期に入るため、今後数ヵ月はかなり厳しい全検を強いられると思われます。また今回の件を受けて、隣国オーストラリアも同様の措置を講ずる可能性が出てきた。今回入港を拒否された3隻の船舶には1万台以上が積まれており、影響はかなり広がると思われる。またこれにより、NZ向け船舶のスケジュールが大きく変更になるため、本邦保税ヤードも併せてひっ迫するでしょう。また問題が落ち着くまで、NZ向けの車輌購入を控える可能性も有るため、中古自動車相場にも影響を及ぼすかもしれない。
トヨタ自動車は20日、レアアースのネオジム使用量を半減させたうえ、高温環境下でも使用可能な「省ネオジム耐熱磁石」を開発したと発表しました。価格が高止まりしているレアアース「ネオジム」の使用量を最大で50%削減出来ることで、今後需要がひっ迫する電動車向け駆動用モーターのコストを削減出来ると思われる。2020年前半の実用化を目指し、駆動用モーターに関しては10年以内の実用化させる予定。ネオジムを始め、電動化に欠かす事が出来ないレアメタルやレアアースは、今後世界的な需要増に向けて省資源化が待ったなしと言われている。特に同資源を牛耳っている中国は、国策として電動化を推進しており、国内優先でレアメタル・レアアースの輸出制限をかけてくる可能性も非常に高いでしょう。HV、EV先進国の日本ですが、原料を止められれば立ちどころに生産に影響を及ぼすため、このような省資源化は一刻の猶予も無いというところでしょう。