4WDニーズ、世界で拡大続く(2018/3/7)

 以前は曲がらない、燃費が悪いというイメージだった4WD、昨今のSUV人気や4WDシステムの劇的な改良により、自動車市場で4WDのニーズが急速に拡大している。世界市場の観点からは、まだまだ4WDの市場規模は小さいと言えるが、自動車が爆発的に増加している新興国や発展途上国では、4WDのニーズは極めて高い。そうした中4WD生産や開発に消極的だった欧州メーカー各社も4WD開発を加速化させてきている。さらに今後急速に増加するであろう電動車において、後輪軸に駆動用モーターを配置することで4WD化を可能にし、ボルボやテスラモーターズで採用されている。さらに何度かレポートしました、インホイールモーター駆動が現実的になれば、電子制御のまさにAWD時代が到来することでしょう。



大同メタル、日産VC-Tエンジンの軸受け一式を受注(2018/2/27)

大同メタル工業(7245)は、日産自動車が年内に量産する予定の可変圧縮比技術を搭載した「VC-T」エンジンの、エンジン用軸受一式を受注したと発表しました。今回受注した軸受けは既に量産開始しており、生産拠点も順次グローバル展開していく予定。「VC-T」エンジンはエンジンの主運動系にマルチリンク機構を採用、運転シーンに応じて圧縮比を変化させることで燃費を低減させる。熱効率はガソリンエンジンでは最高水準となる約40%、マルチリンク機構は、ピストンとクランクシャフトを繋ぐコネクティングロッドに代えて三つのリンクで構成するマルチリンク機構をモーターで駆動、ピストンが上下する位置を制御し圧縮比を無段階に変化させる。マルチリンク機構ではエンジンケース内にリンク構造一式を収める必要が有るため、部品寸法や形状が制約を受けて軸受に掛かる負荷や潤滑が厳しくなる。今回同社が独自に開発した鉛フリー材料を適用し、一部の部品は軸受の形状を工夫することで、耐久性と信頼性を確保することに成功させた。

(日刊自動車新聞より)

新型リーフ好調に推移(2018/2/27)

日産自動車が満を持してフルモデルさせたEVの新型「リーフ」の販売が好調に推移している。日産自動車がこのほど新型リーフ所有者を対象にアンケート調査を実施、実際にEVを使用する人の87%が「車を購入する際の選択肢の一つにEVを含める」とEVに対して肯定的な意見が多かった。また初めてEVの購入を検討した時期について、「2017年」と答えた人が全体の46%で、2010年の初代リーフ発売時比で約5倍のユーザーがEVへ関心を寄せていることとなった。車の購入に際し、EVを視野に入れる理由として最も多かったのは、「航続距離が伸びたから」(206人)、以下「先進技術を備えているから」(176人)、「燃費の良さ」(90人)が挙げられた。今回の新型リーフ購入で、ガソリン車やHV車からの乗り換えが全体の62%、EV車に対して満足度が高いと答えたユーザーは89%にも上がった。EV車「リーフ」は今年1月に世界累計販売30万台を突破、量産型EV車としては世界首位で、今年から米国、カナダ、欧州での販売を開始、今後さらに60ヵ国以上で展開する予定。

欧州や中国を中心に今後EV車への移行が劇的に進むと思われ、世界中で利用者が増加すれば必然的に中古自動車のニーズは高まる可能性も有ると思われる。実際海外ではEVを国策として、EV優先駐車場、EV走行レーンの設置など、EV車に関して注目を集めてきている。肝は何度もレポートしている通り、価格、充電時間、航続距離等で、EVがこれだけ着目されているため、二次電池開発の競争は激化すると思われます。個人的には、何度かレポートした全固体型二次電池が現状最も優位性を持つと言えるでしょう。

(一部日刊自動車新聞)

中古車輸出の10%が電動車へ(2018/2/26)

 財務省が発表した貿易統計によると、2017年暦年の中古自動車輸出総台数が128万5909台(除くハーフカット、ノーズカット、部品扱い輸出申告、盗難車)で、その内12万7782台が電動車輌が占めた。財務省は循環型社会構築の下、車載用二次電池の国内再利用や使用素材の再資源化を目指しており、今後の動向中古自動車をさらに注視する意向。

 この事象は2008年以降当サイトで予測し、まさにそのレポート通りの結果となってきている。さらに言うならば、電動車輸出に関して、二次電池回りの輸出のためのハーフカット、ノーズカット、単体は輸出総台数に含まれておらず、実際はもっと多くが輸出されている。2017年暦年の電動車輸出で、HV車が12万2987台、PHV車が757台、EVが4029台、ディーゼルHV車が9台で、仕向け地別で多い順に、モンゴル2万9431台、パキスタン2万162台、スリランカ1万9763台、ロシア1万3279台と続く。EVに関しては、当サイトでレポートした通り、EVを国策化したニュージーランドとロシアの2ヵ国でEV輸出の8割弱を占めた。何度もレポートしておりますが、電動車の分母が増加しているのだから、中古自動車としての電動車輸出が増加するのは当然の帰結であり、この流れは変えられないと思われる。むしろ再利用としての観点のみで考えるならば、輸出される当該国で再資源化ビジネスを構築するか、リサイクル資源として本邦に再輸入するという方法を模索するのも一つの案だと思いますが。

(一部日刊自動車新聞より)