昨年国内過去最高の78万7361台を販売し絶好調のスズキ自動車ですが、販売した車輌の9割が軽自動車ということで、今年は登録乗用車の販売を伸ばすために車種を拡充すると発表しました。第一弾はハンガリーで生産する世界戦略車のクロスオーバーモデル「SX4 S-CROSS」の逆輸入を開始、2015年初頭にはこれまた世界戦略車の新型コンパクトSUV「VITARA」(日本名エスクード)の投入(いずれも1.6リッター4WD仕様)も予定しているそうです。今後も海外戦略車を中心に、本邦登録乗用車向けに逐次投入する予定。「VITARA」は「エスクード」として販売するのかまだ不明ですが、エンジンの大型化で顧客が離れたエスクード、今度は原点回帰で1.6リッター仕様で国内小型SUV市場の巻き返しを図る。
明日22日にECBの理事会が開かれますが、フライングで仏オランド大統領が19日、パリの企業経営者との会合でECBは理事会で国債購入を決定するだろうと、口を滑らせてしまいました。一部の国を除き本来中央銀行は国家や政治から独立した機関ですから、決定事項について事前に外部に漏洩することは政治の介入やインサイダー取引きを招く可能性が有り、まさに御法度のはずです。ただモザイク国家集合体のEUで量的緩和を実施する場合には、各国政府との調整も必要だった訳でしょうが、それを理事会の前に大統領が発言するのは大変遺憾と言えるでしょう。今回の発言を受けて、市場は量的緩和確定ムードがにわかに漂っておりますが、当の大統領は火消しに奔走しております。スイスフランショックも有り、しばらく欧州は混沌とする可能性が高く、デフレ化は必至かもしれません。
日産車体は九州子会社の1時間当たりの生産台数を、今年度に現状の31台から33台へ引き上げると発表。円安を背景に輸出向け車輌の需要が急拡大、大型のSUVを生産している同子会社は、残業や休日出勤で対応しているが人材不足で期間従業員の確保が厳しくなっていることも有り、ラインの改善によるフレキシブル性を向上させ、増産の対応を図る狙い。日産車体九州工場は、SUVの「パトロール」(日本名サファリで現在生産中止)、やインフィニティブランドの「QX80」の他、「エルグランド」、「クエスト」、「NV350キャラバン」の合計5車種を生産しており、特に北米向けと中東向けのパトロールが高水準で推移しています。同子会社は稼動当初は1時間当たり30台の生産体制でしたが、2013年度には31台、今回はラインの改善でモノコック車とフレーム車を1ラインで効率良く生産する予定。
矢野経済研究所は19日、2020年までに車載用電池の世界市場が、2014年実績比で3倍強の1兆4900億円に拡大するという市場予測を発表しました。車載電池の総容量はEVやPHVの普及により、同8倍の5万9千メガワット/hまで飛躍的に増加するとのこと。この予測は、日・中・韓や欧米系の自動車メーカーを対象に市場調査をした結果を受けたもので、現在トヨタ自動車を中心に採用しているニッケル水素電池は需要が継続するが、現在値段が高く航続距離が短いリチウムイオン電池(Li-B)の成長や量産化によるコスト低減を鑑みて、今回の発表となりました。原油価格に振り回された経緯や地球温暖化という大義名分により、今後もこの分野は注目されるとみて良いでしょう。