在庫拡大による値下げ合戦(2015/2/17)

 中国での景気後退のレポート昨年初めから何度かさせて頂いていますが、中国の自動車ディーラー団体が発表した2014年度新車自動車販売白書で、ディーラーで販売された55%の新車販売に関して利益が出ていない事が明らかになりました。特に顕著なのは高級車を扱うディーラーで、63%が利益を出せていない。背景に有るのは各メーカーの過剰生産による膨大に積み上がった在庫圧力の高まりで、昨年度のメーカー側の在庫係数は最高でも0.78ですが、対してディーラーの在庫係数は1.3~2.2で推移。ディーラーとは2~4倍の開きがあり、一部ブランドのディーラーでは、在庫係数が10を上回る有様。同団体は、在庫の高まりがディーラーの経営コストを拡大させており、乗用車を扱う多くのディーラーで赤字経営を招いているとのこと。現状多くのディーラーは、新車販売からもはや利益を得られず、運転資金の充当を自動車メーカーからの補助金に依存している状態に。ただメーカーからのインセンティブは、ノルマを達成しなければ支給されないために、更に値下げをして赤字で販売するという悪循環に陥ってそうです。

(日刊自動車新聞より)

 

 

オーストラリア自動車自国生産撤退前倒しの現実(2015/2/17)

 オーストラリア現地生産からの撤退を表明している、フォード、GMホールデン、トヨタ自動車ですが、それに伴い現地工場へ部品を供給している部品工場の早期撤退表明が相次いでおります。このまま部品工場の早期撤退が続けば、サプライチェーンの崩壊を招き、しいては自国生産からの撤退が早まるのではないか、と現地オーストラリアン紙が報道しました。3社に部品をこれまで供給していた部品会社は、人件費や地理的にも優位な東南アジアへの移転を模索しており、同国での自動車生産体制は、一層不透明感を帯びてきています。

 

 

長期金利0.1%という見えない壁 (2015/2/17)

欧州中央銀行は昨年マイナス金利を導入し、今年に入って量的金融緩和を実施するという断固たる姿勢を見せました。一方本邦日銀は量的緩和はするものの、マイナス金利は実施しないだろうと市場に読まれ、今回長期金利が0.1%台に入るや一気に利益確定売りとなりました。この当座預金金利1%という見えない壁がある以上、日銀が長期国債の売り物を腕力で買い進んでも、0.1%に近づくと、見えない壁となって立ち塞がる可能性が高いと思われます。以前0.2%前後で借り入れのタイミングのお話をさせて頂いたのは、そういう理由で御座います。今後長期金利の急激な上昇は、様々な混乱の要因ですからやはり注目し続けるべきでしょう。また輸出業者が気にされる外国為替特に米ドルで、日米の金利差が縮小すれば今後過度な円安とはならず、120円前後でピークアウトということにもなるので、そういう意味でも注視すべきだと思っています。



2014年10~12月期GDP発表(2015/2/17)

16日昨年10~12月期のGDPのが発表されましたが、市場予想4%前後に反して2.2%増となりました。国内の個人消費や設備投資の伸びが想定以上に伸びておらず、在庫が相当積み上がっての結果。ただデフレーターの数値を見ると、名目で4%前後となっておりますので、底入れのサインと読む事も出来、インバウンド消費(旅行者が落とすお金)が相当伸びてきているのを鑑みますと、2015年1~3月期はある程度期待出来ると思っています。ただGDPに影響が有る個人消費ですが、消費増税の影響というより先のレポートで示した電力固定買取制度による電力料金の恒常的な値上げにより、今後も国内個人消費に関しては厳しいかもしれません。