今年12月に7年ぶりのフルモデルチェンジをする新型プリウスの事前受注が今月9日から始まりましたが、絶好調の受注状況となっております。グレードによっては、すでに来年3月までに間に合わないというから驚きだ。今回のプリウスは肝の動力用バッテリーが新開発リチウムイオン電池とニッケル水素に分かれているのと、降雪地域から切望されていた本格的AWD(E-FOUR)がラインナップに加わわったのが特徴です。代替需要はもちろん、降雪地域の新たな需要、スリランカ輸出向けを狙った需要でしばらくは好調に推移すると思われます。スリランカ向け輸入業者のヒアリングによると、Aプレミアム(含むツーリングセレクション)、A(含むツーリングセレクション)、Sツーリングセレクションの順になっております。ただAプレミアムはすでに来年中盤前後の納期となっているため、在庫買いは難しい判断となるでしょう。また業者用オークションでの先行販売は、各社相当数狙っているいるため、場合によっては出品台数過多で苦戦を強いられる可能性も有ると思われます。
2015年上期におけるHV車の世界販売が軟調です。国内HV牽引企業のトヨタでも「ヤリス(ヴィッツ)HVやオーリスHV」が好調な欧州を除き軟調に推移しています。ホンダはすべての市場で大幅減となっており、トヨタ以上に厳しい状況に陥っております。2014年後半から原油価格が暴落したことにより、通常のガソリンやディーゼル車への回帰が進行している裏返しでしょう。今後も中国を始め世界経済が停滞している影響で、今後も原油価格が20~50ドルで推移すると思われ、日本や欧州以外でのHV車販売は新型車以外軟調となるでしょう。
10月に当サイトでスリランカ税制改訂の速報をお伝えした通り、今月に入り正式に税率計算の基礎的関税が決定致しました。今年急激に人気を博した、EVやPHEVの税率が高騰したのが目立ちます。今後はEVやPHEV車の需要が激減すると思われ、在庫を持たれている方々には厳しい局面が訪れるかもしれません。今回の結果を受けてスリランカ輸入企業数十社にヒアリング調査をした結果、やはり既存のHV車、特に年末に販売が開始される新型プリウス、来年発売予定の新型C-HRに強い関心を持っておりました。しかし毎年のようにレギュレーションや税率を変更するのは、いい加減止めて欲しいところですね。
中古自動車輸出統計9月版をレポート致しましたが、通貨暴落の影響でベスト10の圏外へ押し出されたロシアや圧倒的な輸出台数を保持していたミャンマーの不調が目立って参りました。貿易の性質上一度現地通貨から米ドルやユーロに換金しなければならない、発展途上国や新興国に関しては、しばらく軟調に推移すると思われます。最近対ドルで為替が戻り基調なので、また125円まで戻ると見ている輸出業者が多いですが、8月9月のマーケットショックでかなり円高に突っ込んだインパクトは、私にはこれからも円安ドル高(黒田ラインの1U$=125円)回帰という絵は到底描けません。ロシアの不調をウクライナ侵攻時にお伝えして、まさにその通りに動いているように、今後は発展途上国や新興国での輸出業者持ちの在庫売りは非常に危ない気が致します。来年に向けてもはや楽観論は捨てるべきでしょう。