先日マイナス金利という非伝統的な手段を講じた欧州中央銀行でしたが、10日クーレ理事が今後ユーロ圏では数年以上の非常に長い期間政策金利をゼロないし、ゼロ近い数値を維持する旨を述べました。ユーロ圏は日米英と違い、今後長期に渡って低成長に甘んじる覚悟を内外に示した形となりました。今後はかつての日本を見習い、低成長の中での成長戦略・財政運営を覚悟していると思われます。
前レポート通り資金がECBの意向に背いて市中に廻らず、ユーロ各国の債券に緩和マネーが投下されております。これを受け、ポルトガル国債3.32%、イタリア2.79%、アイルランド2.4%、ギリシャ5.72%スペイン2.58%と、一部米国と金利差が逆転しております。ギリシャに至っては、2年前の10年債は37%を超えていたのですよ!!また欧州中央銀行は、今後場合によっては、更なる量的緩和の用意が有ると言ってるのですから、しばらく以前問題の有った国も含めてユーロ各国の債券は人気化すると思われますし、結局大きく儲かるのはファンド企業や銀行ということです。実体経済とあまりにも乖離したこのような金融政策は、必ずその報いが来るでしょう。