先月や今月4日のレポートで書いた通り、量的緩和の影響で為替市場でじわじわとユーロ安円高へ推移しております。発表当日はそうでも無かったのですが、ここにきてまさに当レポート通り138円を挟む4ヶ月ぶりのユーロ安水準となっております。更に今回は中央銀行の当座預金に資金を預け入れておくと金利を支払わなければならないので、中央銀行は半ば強制的にユーロ圏の企業への融資へと振り向かせようとした訳です。今回の欧州中央銀行(ECB)の政策発表の後、肝心の資金は貸し出しには向かず、欧州の短・中・長期国債の購入に邁進し、イタリア・スペインなど現在など米国長期国債の利回りをも下回る(価格上昇)最高値を更新しております。
皆さん覚えてますか?2~3年前PIIGSと呼ばれ、長期金利がもの凄い勢いで上昇(価格下落)し、ジャンク国債のレッテルまで貼られた国々の国債の利回りが低下(価格上昇)しているのです。「ONE EURO」のシステムはすでに崩壊しているとは言いませんが、非常に危うい状況になっていると言わざるを得ないでしょう。