貿易立国という死語(2014/8/20)

マスコミでよく本邦は貿易立国・輸出立国とお題目のように言われておりますが、すでに10年以上前から貿易立国では有りません。昨年円安により自動車輸出が増加したと言われておりますが、自動車製造用の部品は海外製が多く手放しに喜んではいられない状況です。特に低価格帯の車輌は今後も海外部品比率を高めるでしょうし、中国・タイ・インドネシアからの逆輸入も増加すると思われます。自動車のみならず、携帯電話、汎用電化製品、食料など圧倒的に輸入超過になっております。今後も生産年齢人口の減少で人件費が高騰した場合、利益率の低い分野を中心に輸入が拡大すると思われます。



円安進む(2014/8/20)

本日の為替相場で、対米ドルで円安が進んでおります。本邦の貿易赤字が想定超の9640億円というニュース、米国7月住宅着工件数の大幅増を受け、為替市場では102円から103円前半に急激に円安に進みました。対米ドルに関しては、米国が量的緩和の終了、本邦は物価上昇率2%に達成するまで量的緩和を継続しますから、必然的に円安に振れる公算が強いと思われます。特に本邦は消費税増税の反動減でGDPが激減しておりますから、今後日銀による量的・質的緩和の拡大が図られると思われますし、何と言っても原発停止によるエネルギー需要が膨大ですから、当レポートでも100円を割ることは当面無いとお伝えした通り、円安要因の方が当面は強いと思われます。



長期金利終値ベースで0.5%割れ(2014/8/19)

日米欧の長期金利が下落(価格高騰)しておりますが、本邦の新発10年国債が0.495%と終値ベースで1年4ヶ月ぶりの水準となりました。日銀の金融緩和政策の一環として政府が新発国債を発行する半分以上を日銀が買い入れ、品薄感による価格高騰で金利が下落している状況。このような状況下では、住宅ローンの借り換え需要や企業向け融資ローン金利下落で、借り換えをし易くなると思われます。

ただこの日銀の国債買い入れオペは、目標である物価上昇2%を達成するまでは行われる算段で、当面続くと市場関係者の意見。さはさりながら、物価上昇率が達成した時に米国のように出口戦略にスムーズに移行できるかは微妙です。それまで市場の半分以上の国債を傍若無人に買い漁っているプレーヤーの日銀が退席した場合、どのような状況に陥るか現状だれも予測が付かないと思われます。日本円で国債を発行しているので、国家破綻は無いにしろ国債価格が大きく下落(金利上昇)した場合は、大きな混乱を誘発するでしょう。



ロシア自動車輸入禁止を検討(2014/8/19)

 日米欧VSロシアの経済制裁合戦が続いておりますが、ロシアは前回の農産物の輸入禁止に続き自動車完成品の禁止を検討しているとのことです。この制裁に中古自動車が組み込まれるかまでの情報は入っておりませんが、日欧メーカー、中古車輸出業者を始めとした自動車産業全体にとって大きなニュースとなるかもしれません。ドイツメーカーにとって中国やロシアはドル箱市場で、その一つを失うことになれば大きな痛手となるでしょうし、本邦メーカーもロシア現地生産や新車輸出において、今後の動静次第では厳しい状況になる可能性も否めません。

 また中古自動車輸出先国で常にベスト3の常連であるロシアですが、こちらも経済制裁の内容やルーブル通貨の下落とロシアに輸出している企業にとって、心配の種は増えるばかりでしょう。これから冬に掛けて、ロシアが仕掛けてくるかもしれもしれませんので、動向は注視すべきでしょう。