先日発表された中国の消費者物価指数は1.5%の上昇と、市場予想1.3%を上回り中国経済が安定してきたという見方になっております。景気対策や株価安定工作により、株価自体の混乱は落ち着いてきております。反面中国輸入減少による商品先物市況が冴えない状況を表すように、卸売物価指数は前月と同様5.9%の低下と、45ヶ月連続で低下しています。リーマンショック以降世界経済を牽引してきた中国経済が、いよいよ混迷の度合いを高めて来たのかもしれません。中国経済の急激なリセッションは本邦に多大な影響を瞬時に及ぼすので、やはり要注意でしょう。
注目されていた中国の輸出入統計は、前年同月比で輸出入それぞれ減少し、特に輸入は前年同月比5.6%減と13ヶ月連続の減少となりました。同国は本邦動揺加工組立型なので、輸入の減少は将来の輸出減少を意味し、先行き不透明感はますます強くなっています。同国は1年に6回も利下げを断行し、さらには8月に通貨切り下げという暴挙を実施した訳ですが、それでも経済状況は改善しておりません。来年以降も中国経済から目が離せない状況が、しばらく続きそうです。
11月の新車販売台数ですが、消費増税前の需要先食いの影響と軽自動車税の値上げを受けて、軽自動車販売の大幅減は続いております。特に庶民の足的な意味合いが非常に強い軽自動車市場ですから、軽自動車販売の低迷は景気悪化を如実に具現していると思っております。軽自動車販売に関しては来年以降も厳しそうな気がします。
普通乗用車に関しては、シエンタがフルモデルチェンジ効果により大幅増となっています。シエンタの納期はすでに半年を超えており、HV・ガソリン共に好調となっています。その他スリランカ向け、シンガポール向け業販の車輌が販売台数の底上げに大きく寄与しており、特にシンガポール向けの車輌は来年以降も好調が持続する見込みでしょう。
2015年11月車名別軽自動車販売実績
1位:N-BOX 14,035台(+6.8)
2位:タント 10,957台(-31.0)
3位:デイズ 10,695台(+10.8)
4位:キャスト 9,172台(NEW)
5位:ムーヴ 7,827台 (-3.4)
6位:アルト 7,556台(+4.3)
7位:ワゴンR 6,969台(-57.0)
8位:ミラ 6,615台(-37.6)
9位:N-WGN 6,597台(-23.8)
10位:ハスラー 5,702台(-32.1)
11位:スペーシア 5,647台(-40.8)
12位:eK 3,014台(-28.7)
13位:ウェイク 2,401台(-66.9)
14位:N-ONE 1,733台(-5.9)
15位:ピクシス 1,680台(-4.9)
カッコ内前年同月比増減率%
(軽自動車協会データより)