米国でFOMCが開催され、ようやく金利の正常化の第一歩となる利上げに踏み切りました。さはさりながら直近のISM製造業景況感指数が良く無かったためか、今後の利上げのタイミングは市場の動向を見極めつつ実施するという、ハト派的な立場を崩しませんでした。注目されていた出口戦略であるバランスシートの縮小ですが、金利の正常化がかなり進んでから実施すると発言しました。とどのつまり、緩和された現状は当分そのままということです。それも有ってか為替市場は想定内の動きに留まっています。今後の為替市場、株式市場は注視すべきです。
トヨタ自動車は16日、2016年暦年のグループ新車販売、生産計画を発表し、今年とほぼ横ばいの1011万4千台に設定し、3年連続1千万台超を目指す。好調が持続している北米、順調に販売を伸ばしている中国ですが、停滞しているアジア、需要減の本邦、先行き不透明な欧州での販売を伸ばせるかが肝になりそうです。また好調な米国市場ですが、原油安の影響でビッグ3が得意なライトトラックの売り上げを伸ばせるかと、サブプライムオートローン特需がいつまで続くかという不安も気になるところです。
ASEAN工場のハブとなっているタイで、フォードモーターは既存工場に230億円を追加投資し、日系メーカーの牙城を崩す狙いだ。タイ国内はもちろん、ASEAN域内や周辺国にも販売出来るSUV、ピックアップ等のライトトラックを中心に生産能力を拡大させる。またASEAN事業の再建を進めるGMも同様にSUV、ピックアップを中心に販売の拡大を狙う。それぞれの工場で、ASEAN域内、オセアニア、中近東諸国、アフリカ、中央アジア輸出のハブとする予定だ。自動車メーカーは輸出の先に工場自体の海外輸出を加速させている。矮小化する本国での生産体制は今後どうなるのか、一抹の不安を覚える今日この頃だ。
原油価格が2014年7月を天井に下落が続いており、1/3近くにまで達しております。市場では底値圏と見る動きも有りますが、中国経済の先行きが見えないだけに、原油価格のベアトレンドはまだ続きそうです。原油価格下落によるガソリン価格の低下で、2015年のHV車の売れ行きも芳しく有りません。また新車業販をメーカーが禁止している影響で、来年以降も新型車を除き販売が軟調になりそうな気が致します。