先月10日のOPEC会合における、電撃的なサウジアラビアの歩み寄りの背景をレポートしましたが、その次回開催が来週30日に迫っています。この会合如何で来年前半の原油価格を決めると言っても過言では有りませんので、世界の注目が嫌でも集まってくるでしょう。会合を前に産油国各国から減産合意に向けたリップサービスが様々なところで出ておりますが、現状合意に関しては相当ハードルは高いと言わざるを得ません。背景にはサウジアラビアの起債は滞りなくと言いますか、瞬間蒸発するほどの売れ行きで完売しましたので、サウジアラビアが率先して減産に動く可能性は低く、さらに減産合意に関して、原油高の恩恵を特段受けられなかったイラン、経済制裁で外貨獲得が厳しくなっているロシア等々、減産に向けて結束が一つになるには、各国の相当の譲歩が必要でしょう。決裂した際は、積みあがった先物の巻き戻しが発生し、併せてCDS値が跳ね上がるなどの、波乱要因が産油国の間で拡がる可能性が有るかもしれません。特に昨年から厳しい情勢が伝えられているベネズエラに関して、ディフォルト懸念が再燃するかもしれません。
トランプ新大統領が選挙期間中から公約に掲げていましたTPPからの離脱を、大統領就任初日に離脱を大統領令で実施すると、動画メッセージを流しました。TPPは米国に災難を齎す可能性が高いためこれを破棄し、雇用と産業を守るために今後は2国間での貿易協定を模索するとのこと。TPPを「第二の開国」と位置付け、規制緩和や構造改革を図る狙いが有った政府与党だけに、今回突然の発表にはショックだったかもしれない。「アメリカ・ファースト」、を標榜するトランプ大統領、今後も小さな政府として内向きな政策に終始する可能性が高く、米国を気にして行動している各国の行動が、より活発に、より激しさを増す可能性が高まったかもしれない。北米売り上げが高い企業は現地生産化を加速させ、代わりに国内産業の空洞化はより加速するでしょう。
住友金属鉱山は、車載用二次電池向け正極材のニッケル酸リチウムの生産能力を増強すると発表、磯浦工場と播磨事業所に追加の設備を導入し、現在の倍に増強すると発表しました。増強する設備は2018年1月に完成する予定で、リチウムイオン電池用部材の旺盛な需要に対応させる。同社では、パナソニックと共同開発したリチウムイオン二次電池向けに、ニッケル酸リチウムをきょうきゅうしている。地球温暖化が声高に叫ばれて世界的にCO2削減が潮流となりつつあり、二次電池関連企業にとって今後も追い風が吹くと思われます。
2016年10月中国自動車販売実績
1位:日産 127,200(+16.1)★
2位:ホンダ 116,005(+39.6)★
3位:トヨタ 99,200(-4.1)
4位:マツダ 28,147(+40.1)★
5位:スズキ 13,287(-13.7)
6位:三菱 7,453(+29.7)
7位:スバル 3,650(+7.6)
★印:10月過去最高
カッコ内前年同月比増減率%
中国市場は年末に終了予定の小型車減税に向けて駆け込み特需が発生しており、自動車メーカー各社の販売を押し上げました。日産は「シルフィ」・「キャシュカイ」、ホンダは「シティ」・「ヴェゼル」・新型「シビック」、マツダは「6(アテンザ)」・「CX-4」がそれぞれ販売台数増加に大きく寄与した形だ。
(日刊自動車新聞データ)