スリランカは年式規制や輸入関税の影響で小型の高年式車が主に輸出されているマーケット。2012年春の法律改正で中古車の輸入関税が上がったため、関税の優遇がある環境対応車(主にハイブリッド車)に人気が移行していたが、2015年のスリランカの税制の改正で環境対応車(ハイブリッド車及び電気自動車)の関税が上がり、現地小売価格もそれに連動して大幅に上がったため、ハイブリッド車の輸入がしづらい状況となった。2018年に政策の変更があり、自動車の輸入がしやすい状況になるとスリランカへの輸出台数が急激に伸びた。この急激な輸入増加に対してスリランカ政府は外貨流出を懸念して、2018年の秋に自動車輸入の引き締めの方針を打ち出した。この方針転換以降、スリランカ向けの輸出台数は減少へと向かった。2019年はこのトレンドを引継ぎ、スリランカへの輸出は低調のままであった。スリランカは自動車の輸入に関する税率やルールが頻繁に変更されるため、そのときどきの改正されたルールにあわせて人気の車種が大きく入れ替わるのが特徴だ。ルール変更のタイミングも特定の時期ではなく、1年に何度もルールが変わる年もあり臨機応変の対応が求められる。輸入ルールの変更に伴いそれまで人気だった車種が突然売れなくなることがよくあるため、スリランカ向け目当てで在庫を持つのは注意が必要だ。また、代金の支払いもL/C決済が原則で輸出検査も必要なため、他の国と比較すると輸出には手間とコストがかかるマーケットで新規参入には一定のハードルがある。

スリランカ、条件付で自動車の輸入再開を検討(2021/10/4)

スリランカ向け中古車輸出、2021年には再開するのか?(2020/11/5)

スリランカでL/Cの支払い停止?(2020/6/12)

スリランカ向け中古車輸出、2020年前半の見通し(2020/3/27)

スリランカ向け輸出でライズの受注が好調(2020/2/13)

スリランカ関連の記事

国別月間中古車輸出台数

【データ】

言語 シンハラ語、タミル語、英語
民族 シンハラ人 (74.9%)、タミル人 (15.3%)、スリランカ・ムーア人 (9.3%)
宗教 仏教 (70.1%)、ヒンドゥー教 (12.6%)、イスラム教 (9.7%)、キリスト教 (7.6%)
首都 スリジャヤワルダナプラコッテ (Sri Jayawardenapura Kotte)
最大都市 コロンボ (Colombo)
人口 21,030,000人 (2016年)
主要貿易品目 輸出:工業製品 (繊維・衣類製品等)、農業製品、鉱物 (2016年)
輸入:中間財 (燃料・繊維関連等)、資本財、消費財 (食品等) (2016年)
主要貿易相手国 輸出:アメリカ、イギリス、インド、ドイツ、イタリア (2016年)
輸入:インド、中国、シンガポール、U.A.E.、日本 (2016年)
通貨 スリランカ・ルピー
国際電話の国番号 +94
インターネット普及率 34.11% (2017年)
ハンドルの向き
主な港 ハンバントタ (Hambantota)
税関リンク Sri Lanka Customs

 

【中古車輸出のルール及び輸出検査】

年式規制 車種ごとに細かな年式規制の設定あり。乗用車、バン、バス、トラックなどの区分けで2年から10年の範囲で年式が設定されている。
輸出検査 JAAI検査またはBUREAU VERITAS検査
注意事項

支払いは信用状(L/C)決済が輸入の条件です。L/Cの内容にあわせて銀行に提出するINVOICE、B/Lなどの書類を作成していきます。書類の記載内容に不備があった場合は、Discrepancyとして現地銀行からペナルティーの費用がチャージされますので、書類の作成には細心の注意が必要です。