2016年にフォード、17年にGM・ホールデンとトヨタ自動車がオーストラリアでの現地生産終了しますが、それに合わせて各社にカーエアコンやラジエーターなどを納入している、デンソー子会社デンソーオートモーティブオーストラリアも生産を終了致します。サービス事業は継続する方針ですが、生産終了に伴い従業員400人を100人規模に縮小します。豪州はいわずと知れた労働者天国で、土曜日勤務は1.5倍、日曜日は2倍、祝日は3倍の給与を要し、その他レイト・ミッドナイト・アーリーアローワンス等、現地スタッフを雇用する上でのコスト高が以前からの問題でした。国家も永住権に関してアジア人を中心に発給を厳しく制限していたため、思った以上に人口が増加しなかったことも結果足かせとなったかもしれません。ただシドニーCBD地区、北部地区、東地区やメルボルンCBDエリアなどの不動産価格は異常なまでに高騰し、今後の豪州政権の舵取りが肝となりそうです。資源高の恩恵を色濃く受けた中国一辺倒外交も岐路に立っており、本邦とのビジネスがどのような変遷を齎すのか要注目でしょう。