南米の雄ブラジルにおいて、自動車生産工場の進出や拡大が止まりません。資源高の恩恵で国内経済が急成長し、ワールドカップ、オリンピックの誘致にも成功して波に乗っていると思われているブラジルで、南米生産のハブとして自動車メーカーを始め各製造メーカーの進出や工場の拡大が相次いでおります。既存のメーカーの他、中国系の自動車メーカーの新規進出が目立ち、ブラジルや隣国でのパイの取り合いの様相を呈しております。

ただ実際には資源高による経済成長は、オーストラリア同様、中国特需に連れ高した側面が非常に強く、昨今の中国景気後退で資源価格が下落し、歩留まりしているのが現状です。また国内は加えてインフレに悩まされており、国民の不満が随所で噴出しております。ここ10年間で世界から投資マネーがブラジルに流入しましたが、資源価格の停滞やFRBテーパリングを受けて投資マネーが徐々に流出し続けており、舵取りの難しい状況となっております。隣国に目を向けてもアルゼンチンの自動車販売は上期で30%減、また下期は選択的デフォルトの影響がどうでるかで、さらに難しい様相を呈することでしょう。しいて言うなれば、リチウムの宝庫「ウユニ塩湖」をもつボリビアが有力と思われますが、中間層をどこまで増加させる事が出来るかが課題と思われます。