10月3日、トヨタ自動車オーストラリア社がヴィクトリア州メルボルン郊外アルトナ工場で、自動車の生産が終了しました。GMホールデン社も今月20日にサウスオーストラリア州アデレード工場での生産を終了することをすでに発表しており、数十年続いた同国での自動車生産に幕を閉じることに。今回の工場閉鎖により、アルトナで2500人、アデレード工場で944人の労働者が職を失う。2016年に他社に先駆けて工場を閉鎖したフォード社は、政府の協力で元社員のスキルアップ研修に数億円を投じたが、これまでに再就職出来た労働者は半数に過ぎないのが現状だ。

全豪製造労働組合自動車セクションのポール・ディフェリス氏は、「自動車製造に携わっていた労働者は不安定な雇用形態にさらされており、大多数はパートタイム労働者に甘んじている。仮に正規雇用に結びついたとしても、かなりの低賃金や厳しい条件付きとなることは明白だ。」と語った。

フリンダース大学のアンドリュー・ビア教授は、「2004年に三菱自動車がロンズデールのエンジン工場を閉鎖した際、解雇された労働者で正規雇用にありつけたのは1/3しかおらず、残りの2/3は失業または潜在失業状態に陥った」と語っている。またヴィクトリア州のゲイル・ティアニー訓練技能担当大臣は、州経済にとってトヨタ自動車の撤退は、2つの工場を閉鎖したフォードよりもはるかに大きな影響が有ると語っている。

(一部ABCより記事抜粋)