いすゞ自動車は、LCV(ライト・コマーシャル・ヴィークル)市場向けに、ディーゼルハイブリッドシステムを開発し、2020年代初頭にタイ市場へ投入する。LCVのハイブリッド車は同社初の試みで、いすゞではLCV事業への投資を積極化させ、商用車(CV)と並ぶ主力事業に位置付ける。環境規制の強化や燃費性能に対するニーズが高まる中、新興国での成長が見込めるLCVへ電動化技術を投入することで、商品力の引き上げを図っていく新たに投入するHVシステムは、小型トラック「エルフ」に搭載するハイブリッド技術をベースに、いすゞ独自のシステムとして開発する予定。いすゞはタイでピックアップトラック「D-MAX」を生産・販売しており、ピックアップトラックカテゴリーではトヨタに次ぐ2位と好調だ。また同国市場では、LCVが販売の9割を占めているため、LCVを制する者がタイ市場を制するとまで言われており、いすゞは2015年に排気量を2.5リッターから1.9リッターにダウンサイジングした新開発エンジンを投入、2016年にはインドでも「D-MAX」の現地生産を開始した。次期型はGMとの共同開発を取りやめいすゞ単独で開発し、マツダ自動車へのOEM供給でも合意している。国内市場では乗用車部門の撤退以降、トラック製造会社というイメージが強いですが、アジア、アフリカ、中近東諸国では、ピックアップトラックを始めとするLCVのイメージが非常に強く、信頼性や人気はかなり高くなっている。