中国主導で行われるアジアインフラストラクチャー投資銀行(AIIB)に参加する21カ国の代表者が24日、中国・北京の人民大会堂で基本合意をまとめた「設立覚書」に署名致しました。参加する国はASEAN9カ国を含む、アジア中東地域で、国境問題や領有権争いをしているインド、フィリピン、ヴェトナムも署名。AIIBの所在地は北京に置き、法定資本金は1000億ドル(約10兆8000億円)で、来年2015年からの運用開始を目指します。習近平国家主席はこの席上、この新たな銀行設立に際しては、既存の日米欧の国際金融秩序では不十分で、世界の新たな金融システムの改善に役立つであろうと、自信を漲らせました。今回の銀行設立に際し、欧米は静観を装っておりますが、参加を呼びかけたオーストラリアや韓国が見送ったところを鑑みますと、内心平静では無いと思われます。旧東側と言われた諸国において、新たな決済通貨は至上命題で、今回の件でその一端を垣間見たような気が致します。今後欧米とどのようなせめぎ合いになるのか要注目と言えるでしょう。ただ旧東側(裏では反欧米)は原油・レアメタル・レアアース等の資源国なので、本邦もそれらの国々と上手く付き合っていかなければならないと思われます。